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1982年の回路

お客様から古いメーター式の測定器の修理ご依頼が有りました
お話しではメーカーに依頼したところとっくに製造打ち切りしていて更に
七年間のサービス期間を過ぎている等が主な理由とのこと、製造は1982年で
今から36年前、うん、無理も無い回答でしょう。
早速調査したところ・・・・へぇーー、この時代にオペアンプ在ったろうに
と思える程のディスクリート回路図が取扱説明書に描かれていました
下図↓
bandicam 2018-07-19 06-14-06-753



これはよく見掛けるオペアンプの回路に似ていますよね、因みに
定番のLF356の等価回路は下図↓
bandicam 2018-07-19 06-15-35-235

当該測定器の方は右側に発振回路及び基準電圧のツェナーダイオード(RD6A)が見えますね
これら全てをオペアンプを使わずディスクリートで組んだ基板が下の写真です↓
サイズ変更DSCN6396

紙フェノール基板とガラエポ基板が見えます、ガラエポの方がオペアンプと
等価のディスクリート基板です、先人さん達は大変だったのですね今なら
ウルトラ・ロードリフトとかのオペアンプで造ってしまいますが当時は
全て手組だったのです、頭が下がります、苦労したことでしょう温度特性
が一番の難敵だったと思います

さて、未だ結論は出ていませんが不具合の症状とは以下のようなものでした
・キャリブレーション出来ない
測定前にキャリブレーションボタンを押してキャリブレーションボリューム
を回しアナログメーターをゼロに調整するのですがメーター指針が左右に
大きくブレて調整出来ないのです

回路図を確認すると ええ?ホント? という特徴的な回路に成って居ました
・006P(9V)乾電池四個が電源
・二個、二個にそれぞれ別れ±9Vで動いている
・二個は直接並列に成って居る
ここなんです、電池を並列接続することが適切かどうか、どう思われます?
乾電池は同じメーカー同じ型番でもバラツキは在ります、従って内部抵抗の
違いから並列接続すれば極端な場合片方の電池がもう片方を充電してしまい
カラッポに成る可能性が捨てきれません

まぁ、いいやそれはそれで良いとして、致命的なのがバッテリィ・チェック
の方法に在りました下図の回路↓
bandicam 2018-07-19 06-23-46-822

右側中央にメーターが在ります
左はロータリースイッチ
R31 と RV6 はバッテリィ・チェックを形成するシリーズ抵抗です
良く観察すると -9V だけの電圧値をチェックして居ることが判りますね
致命的なのはここなんです

詰まりバッテリィ・チェックをしても -9V しか測定して居らず +9V は
完全無視しています、試しに +9V 側のバッテリィを外してバッテリィ
チェックを行っても正常でした (笑)

電池の電圧値は下記の様でした
+9V = 3.18V
-9V = 8.19V
これでは電源としては明らかに不足しています
バッテリィを交換したところ正常にキャリブレーション出来ました

ここで一旦、お客様に返還、確認して下さる事に成りました
測定器の老舗メーカーさんですが、精度が出ればまぁ良いのでしょう。

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